2007年 10月 13日
ロイヤルバレエ「ラ・バヤデール」 |
8日木曜日に、今シーズン初めてのロイヤルバレエ公演を見てきました。シーズンのオープニング作品は「ラ・バヤデール」マカロワ版です。
衣裳も装置もなかなか豪華で、間違いなく楽しめるこの作品。この日のキャストは、私のお気に入りのカルロス・アコスタがソロル、タマラ・ロホがニキヤでした。ガムザッティはマリアネーラ・ヌニエスでした。
相変わらずしなやかで上品なカルロスのソロルは「優柔不断な良い人」、しっかりと安定したテクニックを見せながら演技が抜群なタマラのニキヤと息がぴったりで、踊りはもちろん、ドラマを見ているように楽しむことが出来ました。
でも、ちょっと気になったのは、タマラの踊りにいつものはっとするような輝きがなかったことです。もともと羽のように軽いジャンプをするようなタイプのダンサーではなく、どちらかというとしっかりと地に根付いたバランスのしっかりした踊りのタマラですが、以前イングリッシュナショナルバレエにいた頃は、もっと大きくフワリとしたジャンプをしていたような気がするのですが、なんだか今回はまるで飛ばないようにしているかのような印象がありました。
最終幕の結婚式の場面で幻影として出てきて舞台をグランジュッテで横切ったときなどは、ゆらりと揺れる影のような素敵なジャンプだったので、意図的にそのように踊っていたのかもしれません。
でも、それにしても全体的に何か抑制しているような、踊りきっていないようなタマラらしくない感じがしたのです。気のせいだと良いのですが・・・
ガムザッティ役のヌニエスは長身でスタイル抜群の美しいダンサーです。が・・特に回転での音の取り方やテクニックが私好みではなく、細かいつなぎが、なんとなく雑な感じがして今回はあまり印象がよくありませんでした。
でも役を演じることにかんしては、本当に迫力があって舞台を盛り上げていました。他の役で見てみたいと思います。
と、ちょっと辛口になってしまいましたが、今回のバヤデールの主役はやはりコールドバレエ。二幕の「影の王国」の場面は、始めからかなりゆっくりと音楽が奏でられているのですが、場面を通して本当になだらかに、ゆっくりと延々と続くアラベスクとその後の踊りは、まさにこの世のものではないような美しさ。耳に入ってくる音楽と、目に入ってくるたくさんのダンサー達を見ているうちに、頭をかすめるいろいろな考えがすっかり止まって、空っぽな状態で、ただ見ているという至福の状態になってしまいました。
しかし、あのテンポであの踊りを踊りきるのは、相当たいへんだったろうなあ・・・でもあの異常なまでにゆっくりとした音楽が、現実界ではない幻想の世界に私を連れて行ってくれました。今回は誰よりもコールドバレエのダンサーたちに大拍手でした。
衣裳も装置もなかなか豪華で、間違いなく楽しめるこの作品。この日のキャストは、私のお気に入りのカルロス・アコスタがソロル、タマラ・ロホがニキヤでした。ガムザッティはマリアネーラ・ヌニエスでした。
相変わらずしなやかで上品なカルロスのソロルは「優柔不断な良い人」、しっかりと安定したテクニックを見せながら演技が抜群なタマラのニキヤと息がぴったりで、踊りはもちろん、ドラマを見ているように楽しむことが出来ました。
でも、ちょっと気になったのは、タマラの踊りにいつものはっとするような輝きがなかったことです。もともと羽のように軽いジャンプをするようなタイプのダンサーではなく、どちらかというとしっかりと地に根付いたバランスのしっかりした踊りのタマラですが、以前イングリッシュナショナルバレエにいた頃は、もっと大きくフワリとしたジャンプをしていたような気がするのですが、なんだか今回はまるで飛ばないようにしているかのような印象がありました。
最終幕の結婚式の場面で幻影として出てきて舞台をグランジュッテで横切ったときなどは、ゆらりと揺れる影のような素敵なジャンプだったので、意図的にそのように踊っていたのかもしれません。
でも、それにしても全体的に何か抑制しているような、踊りきっていないようなタマラらしくない感じがしたのです。気のせいだと良いのですが・・・
ガムザッティ役のヌニエスは長身でスタイル抜群の美しいダンサーです。が・・特に回転での音の取り方やテクニックが私好みではなく、細かいつなぎが、なんとなく雑な感じがして今回はあまり印象がよくありませんでした。
でも役を演じることにかんしては、本当に迫力があって舞台を盛り上げていました。他の役で見てみたいと思います。
と、ちょっと辛口になってしまいましたが、今回のバヤデールの主役はやはりコールドバレエ。二幕の「影の王国」の場面は、始めからかなりゆっくりと音楽が奏でられているのですが、場面を通して本当になだらかに、ゆっくりと延々と続くアラベスクとその後の踊りは、まさにこの世のものではないような美しさ。耳に入ってくる音楽と、目に入ってくるたくさんのダンサー達を見ているうちに、頭をかすめるいろいろな考えがすっかり止まって、空っぽな状態で、ただ見ているという至福の状態になってしまいました。
しかし、あのテンポであの踊りを踊りきるのは、相当たいへんだったろうなあ・・・でもあの異常なまでにゆっくりとした音楽が、現実界ではない幻想の世界に私を連れて行ってくれました。今回は誰よりもコールドバレエのダンサーたちに大拍手でした。
by ericolex2323
| 2007-10-13 20:40
| バレエ・ダンス